作家の西村京太郎さんが2022年3月3日、91歳でお亡くなりました。謹んでお悔やみ申し上げます。
ミステリー作家として大活躍された西村京太郎先生ですが、手掛けた作品は680以上とも言われています!
その中から西村京太郎先生ご自身がおすすめし、作品の中から自選したベスト5があることをご存知でしょうか。
トラベルミステリーの第一人者と評される西村京太郎先生がおすすめし、どの作品を自選してベスト5にあげたのか、あらすじも含めて紹介します☆
西村京太郎先生について
西村京太郎先生の突然の訃報に驚かれた方も多く、追悼のコメントがたくさん寄せらています。
西村京太郎先生がオリジナルで手掛けた著作は2019年3月時点で619冊、総数で680作品以上と言われています。
最高年収はなんと『7億円』とご本人が公言されたり、運転免許証を持っていないにも関わらず1988年式ロールス・ロイス・シルバースピリットを所有していたという破天荒な逸話もあります^^
西村京太郎先生は意外にも晩婚で、70歳の時に秘書だった10歳年下の瑞枝(みずえ)さんとご結婚されています。
しかも脳梗塞いう大病もされながら、リハビリに励みながら90歳でも執筆活動をされていたとのことです!!
十津川警部シリーズが大ブーム…西村京太郎さん死去、91歳https://t.co/iaCq25vAO5#カルチャー
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) March 6, 2022
そんな西村京太郎先生ご本人が、自ら選んだベスト5や代表小説を紹介します☆
西村京太郎先生が自選した作品ベスト5
西村京太郎先生が自選した作品ベスト5は!
1975年に光文社から刊行の『消えたタンカー』です!
『消えたタンカー』は西村京太郎先生の長編推理小説で、「十津川警部シリーズ」の主人公である十津川省三警部が登場する長編作品の第4作にあたります。
第29回日本推理作家協会賞長編部門にもノミネートされた作品です。
自分であらすじを書いていてものすごく続きが気になります・・・(^_^;)
『消えたタンカー』原作小説
西村京太郎先生が自らおすすめし自選したベスト5なら尚更読んでみたくなりますよね^^
探してみたらありましたのでこちらからご購入いただけます☆
『消えたタンカー』のドラマ
では『消えたタンカー』はドラマ化はされているのでしょうか?
2013年にTBSの2時間ドラマ『西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ50作記念作品・消えたタンカー』で放送されておりました!
主演で十津川警部を演じたのは渡瀬恒彦さんで、なんとお兄さんの渡哲也さんも主演されえており、兄弟での共演で話題になったようです!
これは観たくなっちゃいますね(^_^;)
DVDなど探してみましたが・・・残念ながら見つかりませんでしたm(_ _)m
違うタイトルでしたら、動画サイトやAmazonなどでDVDの販売もありました。
渡瀬恒彦さんの演じる十津川警部は本当にかっこいいですよね!ファンの方もたくさんいらっしゃいますね^^
西村京太郎先生が自選した作品ベスト4
西村京太郎先生が自選した作品ベスト4は!
1977年トクマ・ノベルズ 刊行の『華麗なる誘拐』です!
『華麗なる誘拐』は西村京太郎先生の長編推理小説で「左文字進シリーズ」です。
舞台は東京、新宿の超高層ビル街。
探偵の左文字進の行きつけの喫茶店内でシュガーポットに入れられた毒物により若いカップルが殺された。
これが無差別殺人の始まりだった。
この事件の3日前に首相公邸に謎の怪電話が掛かってきていた。
蒼き獅子たち(ブルーライオンズ)と名乗る男から「われわれは日本国民1億2000万人を誘拐した!5000億円を支払え!」との前代未聞の誘拐電話だ。
喫茶店で殺されたカップルはブルーライオンズの犠牲者であったのだ・・・
スケールの大きな前代未聞の誘拐事件がどのような展開になるのか気になります!
『華麗なる誘拐』原作小説
西村京太郎先生が自らおすすめし自選したベスト4の『華麗なる誘拐』の原作小説はこちらからご購入いただけます☆
『華麗なる誘拐』のドラマについて
『華麗なる誘拐』のドラマ化について調べてみましたが、『華麗なる誘拐』というタイトルではありませんでした。
ですが、ウッチャンナンチャンのウッチャンこと内村光良さんの主演映画『恋人はスナイパー 劇場版』で映画化されていました。
『恋人はスナイパー』はテレビ朝日で2001年と2002年に放送されたスペシャルテレビドラマです。
2004年にepisode3として劇場版で放映された時の原作が『華麗なる誘拐』となっています。
内容は主演の内村光良さんが天才スナイパーで、水野美紀さん扮する刑事とともに事件に巻き込まれたり解決していく話のようで、ヌンチャクを使ったアクションも見所になっています。
原作が『華麗なる誘拐』ではありますが、『恋人はスナイパー 劇場版』は元々あったドラマなので、原作の主役である左文字進などの登場人物は出てこないと思われます。
ですが原作が『華麗なる誘拐』なので物語のベースとなる部分は原作に沿って作られているようです。
犯人から首相官邸に『日本国民1億3千万人を誘拐した。身代金は5千億円』との電話が入り、事件は日本全土に拡大していくストーリーです。
ちなみに『恋人はスナイパー 劇場版』はいかりや長介さんの遺作ということです。
原作が『華麗なる誘拐』の映画、内村光良さん主演映画『恋人はスナイパー 劇場版』はこちらからご購入可能です☆
原作を読んだあとに映画も楽しんでみてはいかがでしょうか^^
西村京太郎先生が自選した作品ベスト3
西村京太郎先生が自選した作品ベスト3は!
1978年に光文社刊行の『寝台特急殺人事件』です!
『寝台特急殺人事件』は西村京太郎先生の長編推理小説で鉄道ミステリーの第1作です。
『寝台特急殺人事件』は日本中にトラベルミステリーというジャンルを示すきっかけとなったヒット作!!
西村京太郎先生が全面的にトラベルミステリーに移行するきっかけになった作品でもあります。
また、西村京太郎先生が考えた、鉄道を使ったトリックやアリバイ工作は、そのリアリティが功を奏し根強く人気があります。
有名なトラベルミステリーの第1作目が西村京太郎先生が自選したベスト3にランクインしています♪
記者の青木が寝台列車の人気を探るため、東京駅16時45発西鹿児島行き寝台特急「はやぶさ」1号車の個室寝台7号室に乗り込む。
そこで、茶色のコートを着た女と、弁護士の高田という男と出会い、食堂車で席が相席になったりした。
青木のカメラに入っていた茶色のコートを着た女が映ったカメラフィルムが抜き取られていたことで、青木と弁護士の高田との間で一悶着あるが、仕方なく青木は個室に戻り眠ってしまう。
その後、ふと目が覚めると、隣の個室の茶色のコートの女と弁護士の高田が別人になっていることに気が付く。
高田の個室の男性に話を聞くと、青木が乗っているこの列車は「東京駅18時発で、同じ西鹿児島行きの寝台特急「富士」だ」と言われる。
青木は違う列車に乗っているのはどう考えてもおかしいと感じて車掌に聞く為、車掌室のドアをノックしようとしたが、その時に何者かに殴られてしまい倒れてしまう。
翌朝になり、多摩川に茶色のコートの女の溺死体が浮かぶ。
警視庁捜査一課の十津川省三警部補と亀井定雄刑事の捜査が始まる。
『十津川警部シリーズ』で有名な十津川警部が登場する作品なのですね!
『十津川警部シリーズ』はたくさんドラマ化されて、数々の俳優さんが演じたことでも有名です♪
大人気の『十津川警部シリーズ』ということもあり、トラベルミステリーの第一人者となるきっかけの作品なので、必ず読むべき作品ですね!
『寝台特急殺人事件』原作小説
西村京太郎先生が自らおすすめし自選したベスト3の『寝台特急殺人事件』の原作小説はこちらからご購入いただけます☆
『寝台特急殺人事件』のドラマについて
『寝台特急殺人事件』のドラマ化は2つあります!
- 1979年テレビ朝日系列の2時間ドラマ『土曜ワイド劇場』にて放送
三橋達也さん主演『西村京太郎トラベルミステリー1・ブルートレイン・寝台特急殺人事件』 - 2009年TBS系列の2時間ドラマ『月曜ゴールデン』にて放送
渡瀬恒彦さん主演『十津川警部シリーズ41・寝台特急(ブルートレイン)殺人事件』
DVDなど探してみましたが・・・残念ながら見つかりませんでしたm(_ _)m
違うタイトルでしたら、動画サイトやAmazonなどでDVDの販売もありました。
再放送などされることを祈ります^^
西村京太郎先生が自選した作品ベスト2
西村京太郎先生が自選した作品ベスト2は!
1971年にホリデー・フィクション刊行の『殺しの双曲線』です!
『殺しの双曲線』は西村京太郎先生の長編推理小説で本格推理の傑作です。
この作品の面白いところは、著者が冒頭で「この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです」とトリックを先に明かしています!
西村京太郎先生は、双生児であることを明かしておかないと、推理小説を書く際のルールである「ノックスの十戒」に反するためフェアでないためとしています。
- 犯人は、物語の当初に登場していなければならない。ただしまた、その心の動きが読者に読みとれている人物であってはならない。
- 探偵方法に、超自然能力を用いてはならない。
- 犯行現場に、秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない(一つ以上、とするのは誤訳)。
- 未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない。
- 主要人物として「中国人」を登場させてはならない。
- 探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない。
- 変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない。
- 探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない。
- サイドキックは、自分の判断を全て読者に知らせねばならない。また、その知能は、一般読者よりもごくわずかに低くなければならない。
- 双子・一人二役は、予め読者に知らされなければならない。
舞台は東京と宮城県のホテル「観雪荘」。
東京では連続強盗事件が観雪荘では連続殺人事件がおこり並行してストーリーが描かれている。
東京の連続強盗事件の犯人は素顔をさらしており小柴兄弟のうちどちらかの犯行であることは確定していたが、小柴兄弟は一卵性双生児で顔がそっくりでどちらの犯行か警察は掴めずにいた。
一方、観雪荘では年齢や性別や職業など全てにおいて共通点が全くない男女七人が集められた。
その中の一人が首吊り自殺をし亡くなるが、どうやら自殺ではなさそうだ。
なぜなら壁に「第一の復讐が行われた」という言葉と、謎のマークが描かれたカードが画鋲で止まっていた。
そして次々と男女は亡くなり、亡くなるたびにホテルのボーリングのピンが一つずつ消えていく。
東京の連続強盗事件では小柴兄弟の弟が捕まるが、何者かにそそのかされて兄弟で交互に犯行を犯していたと話している。
観雪荘では、7人全ての男女が亡くなりホテルの敷地に雪で墓が作られボーリングのピンが置かれていた。
さらに遺体の男性3人の顔が無惨に潰されていた。
墓のない1人の女性が「私が間違っていました」と遺書を残しホテルで毒を飲み亡くなっていた為、犯人かと思われた。
しかしその後、捜査本部に「全ての復讐が行われた」という言葉と謎のマークが描かれたカードが届けられたてきた。
消印は犯人と思われた女性が亡くなったあとの物だった・・・
ホテルでの連続殺人事件と、双子の小柴兄弟がどのように関わってくるのか気になります!!
『殺しの双曲線』原作小説
西村京太郎先生が自らおすすめし自選したベスト2の『殺しの双曲線』の原作小説はこちらからご購入いただけます☆
『殺しの双曲線』のドラマについて
『殺しの双曲線』はドラマ化されているのでしょうか。
1つ見つかりました。
1987年にフジテレビで放送された金曜女のドラマスペシャル「北陸L特急殺しの双曲線」です。
出演者は沢田亜矢子さん、篠田三郎さん、宅麻伸さん、中山仁さん、石橋蓮司さん、長谷直美さん、加納竜さんなどです。
タイトルが若干違いますが、原作は西村京太郎さんの『殺しの双曲線』となっています!
DVDなど探してみましたが・・・残念ながら見つかりませんでしたm(_ _)m
違うタイトルでしたら、動画サイトやAmazonなどでDVDの販売もありました。
再放送などされることを祈ります^^
西村京太郎先生が自選した作品ベスト1
西村京太郎先生が自選した作品ベスト1は!
1966年に講談社から刊行の『D機関情報』です!
『D機関情報』は西村京太郎先生の長編スパイ小説です。
本作は第20回日本推理作家協会賞にノミネートされた作品です。
戦時中、それぞれの国のスパイが暗躍するなか親友の不可解な死と「D」の謎・・・
展開が非常に気になります!!
『D機関情報』原作小説
西村京太郎先生が自らおすすめし自選したベスト1の『D機関情報』の原作小説はこちらからご購入いただけます☆
『D機関情報』のドラマ・映画について
『D機関情報』は1988年に『アナザー・ウェイ ―D機関情報―』というタイトルで東宝東和創立60周年記念作品として映画化されています!
出演者は 役所広司さん、いしだあゆみさん、高橋英樹さん、平幹二朗さん、仲代達矢さんなど実力派の俳優陣の方々です。
ちなみに、この映画が役所広司さんの映画初主演作品だったようです!
VHSが販売されていたようですが、現在は販売しているところが見つかりませんでしたm(_ _)m
テレビなどで再放送されるか、動画サイトなどで配信されるの待つしかないようです。
自選ベスト5の経緯
2006年にミステリ作家の西村京太郎先生と綾辻行人先生との対談「名探偵、トリック、そして本格ミステリー」で語られました。
まず『D機関情報』、次いで『殺しの双曲線』
そのあとに『寝台特急殺人事件』を挙げ、さらに綾辻から「『華麗なる誘拐』はどうですか? 傑作だと思うんですけど」と薦められて
「もちろん好きな作品ですよ」とこれを受け入れ、最後に「あと一作となると『消えたタンカー』かな」と選出している
綾辻からトラベルミステリーでは推理作家協会賞を受賞した『終着駅殺人事件』ではなく、自身では本作の方なのかと問われ、作者は「そうですね」と答えている
600以上ある作品の中から西村京太郎先生が自選されたベスト5なので全てじっくり読んでみたくなってしまいますね♪
西村京太郎がおすすめした作品・自選ベスト5のまとめ
西村京太郎がおすすめした作品・自選ベスト5!あらすじも紹介!
- ベスト1 『D機関情報』 第二次世界大戦中の長編スパイ小説
- ベスト2 『殺しの双曲線』 双子トリックを利用した長編本格推理小説
- ベスト3 『寝台特急殺人事件』 鉄道ミステリーの第1作目の長編推理小説
- ベスト4 『華麗なる誘拐』 「左文字進シリーズ」の長編推理小説
- ベスト5 『消えたタンカー』 「十津川警部シリーズ」第4作の長編推理小説
この自選ベスト5は西村京太郎先生が2006年(18年前)とかなり前の対談で明かしていますが、、
ベスト1からベスト5まで、これが西村京太郎先生の集大成と言っても良いほど、それぞれのジャンルが入っていて、先生が分かっていて答えたのか定かではありませんが、やはり天才なのだと感じました!
西村京太郎先生の作品を知るには、まずこの5作品から読んでみるのもありではないでしょうか♪
最後までお読みいただきまして、ありがとうございましたm(_ _)m